ワイヤーの保定装置を付けた患者さまのMRI撮影
●基本的にLBR(Lingual Bonded Retainer:舌側固定式保定ワイヤー)は装着したままMRI検査を受けられるケースが多いです。最終判断は撮影部位・装置の磁場強度・施設の方針によりMRI撮影側が行います。
・安全面では装着したままで問題ないことがほとんどです。ただし、特に頭や首のMRIでは画像が乱れることがあるため、撮影する病院・検査施設に『歯の裏側に固定式の金属リテーナーが入っている』と必ず伝えてください。
・MRI撮影側で『外してほしい』と言われた場合は当院で外します。一度外すと再利用できないので、検査後に新しいものを装着し直します(有料)。再装着をご希望の場合、除去と再装着のご予約をお取りください。
●材質と装着部位
上下どちらか、または、上下とも。材質はステンレススチールです。
●安全面(患者リスク)
- 加熱・移動・脱離のリスクは臨床的に極めて低いです。多撚りステンレス製の固定リテーナーは、1.5T・3TのMRIでも温度上昇は通常1℃前後以下で問題にならず、ボンディング(接着)強度も大きく低下しないとする研究が複数あります。
- 強磁性の強い金属でなければ、磁力で飛ばされたり大きく動いたりする心配はほぼありません。一般的なオーステナイト系ステンレス製の保定ワイヤーは磁性か弱磁性程度です。
●画像への影響(アーチファクト)
- 主な問題は金属による画像の乱れです。口腔周囲・舌・顎・頭蓋底部近くでは影響が出やすく、頭部・頸部・顎関節のMRIでは診断に支障をきたす可能性があります。
- 胸部・腹部・四肢など離れた部位では影響がほとんどないことがほとんどです。
- チタン製やファイバー強化型、PEEKなどの非磁性・低磁性素材ならアーチファクトはさらに小さく、ほぼ問題にならない場合もあります。当院が使用しているのはステンレスです。
